朝の電話と雨のあとに | 現実なんてこんなもの

朝の電話と雨のあとに

 年下の彼氏くんは、趣味の集まり(ってのもオールドスタイルな表現か)で出かけていた土曜。さんざん誘われたんだけど、結局気が乗らずじまい。彼をとりまく環境ともうまくつきあえるのが大人だとは思うけど、ある程度年が離れるときついね。毎週会ってる友達なら、まだ少しずつ歩み寄れるんだけど、たまに会う趣味の仲間とは、どんな距離感で話せばいいのやら。

 じつは七つを越えて離れた彼氏くんとも、ときどき話が合わなくて、愕然とする昨今。本当は、世代差だけじゃなく、生育環境の差もあるんじゃないかと思うけど……なにはともあれ、細かなすれ違いが続く。世間じゃこれを、価値観の違いとか、見ているものが違いすぎるから、とかいうのかな。さみしい。

 そんなことを考えている間に、
 同居人くんとはだいぶ仲良くなった。深夜の電話は、明るくなるころようやく終わる。つきあいはじめの二人みたいに、他愛ない日常の話から、ちょっとまじめな相談まで。かれは相手にリードされたいタイプだから、年上で安定して見える私に惹かれてる。その期待を裏切らない限り、穏やかな関係はつづくだろう。

 来年の夏に、彼らの部屋の更新時期が来る。継続か、解散か……ふたりの意見は、いまのところバラバラ。いろいろ事情が絡み合って、ギリギリまで悩みそう。
 解散したら、彼氏くんは実家に戻るだろう。別に、仕事場まで通えない距離じゃない。ちょっと遠いけど。今ほど会えなくなるかもしれないけれど。そして、同居人君は、たぶん現在地の近くに部屋を探すだろう。友達も多いし。実家は遠いし。

 今以上に会えなくなる人と、どうしたら気持ちを繋いでおけるだろう。もう、そんな心配をする。一緒に住めばいいって? そうもいかない事情もあってね。