現実なんてこんなもの
 
Amebaでブログを始めよう!
1 | 2 | 3 | 4 | 最初次のページへ >>

卒業式みたいなさびしさなんだと思うことにする

 わたしの努力の甲斐あって、元同居人君と我が同僚なる友人がうまくいきそうだ。もともと話がかみあうふたりだから、いいんじゃないか……や、自分じゃ敵わないんじゃ、と思ってたんだ。

 画策が成功して、いいかんじでふたり、晴れた秋の日の吉祥寺デート。帰ってきたふたりは、いつになくハイで楽しそうだった。あれは、誰が見ても恋のはじまり。
 あさってからは、彼らふたりと、もう一組のカップルとながい出張の旅。すでにペグはがんがんうってあるから、この期間にしっかり進むことだろう。さいわい旅の後半には、男女/女女/男+よその男性と相部屋って日が決定しているから、ここで「異性の兄弟がいるからぜんいん同室でもいいよー」つってたふたりを一部屋にまとめる、と。不慣れなヨーロッパの旅。ふたりともはじめての、狭い寝台列車のキャビン。舞台の仕掛けは最高。うまくいかないわけがない。

 あのふたりは、きっとすぐにしあわせになる。
 あのふたりは、きっとずっとしあわせになる。

 わかってるのに、なんでこんなにさびしいんだろう。むねがいたいんだろう。
 夜毎電話して、他の人を捜せとあんなに言い続けたのに。

 
 けっきょく最後まで、陽の光の元で会うことはなかったね。いつもわたしは不機嫌で、会うのは終電がなくなる深夜。
 いちどでいいから、昼間の街で遊びたかった。それは、かなわない夢だから、憧れるんだ。いつまでも、いつまでも、これからも、いつまでも。

文化祭の前日にあこがれたのは昔の事

 イベント直前のハイテンションなお祭り騒ぎが大好きで、文化祭っていちど参加してみたいと思ってた。不幸なことに、中・高を通して進んだ学校には祭と名のつく行事が存在せず、せめて最後にと夢見た大学にさえ、学生主導のイベントは用意されていなかった……もっと積極的に、禁じられていた。

 一度たりとも、クラス一同で燃え尽きた……という経験がないからかもしれない。いまでもイベント関連の仕事は、血が騒ぐ。とはいえ、海を渡ってでかけるたびに、当日朝まで準備に追われるのはどうしたものか。しかも、たいていは一人居残って。

 明日からは、元彼であるところの現上司とふたりで出張の旅。新しい経験は楽しい筈なれど、やはりいろいろ気が重い。とりあえず、朝までに仕事が終わるか……が心配。

東京は熱帯のまち

 お盆前の追い込みで、週末も人が多い仕事場で自分も作業。夜中の零時だってのに、どうして6人もスタッフがいるんだ。どうしてさらに人がくるんだ。まぁ、いいか。ザッツエンタテイメント。

 作業机のとなりで、付きあいの長いボーイフレンドがキーボードを叩いてた。ときおり肩をもんでくれたり、頭を撫でてくれたり、ぎゅってしてくれたり、する。今年で10年。最初のころの激情はないけれど、あたたかな日だまりみたいな間柄。なんなんだろう、これって。

 別の部屋では、元同居人君がコンソールに向かってる。土曜の早朝から昼過ぎまでは、彼の部屋でお昼寝してた。解散したけど、夜に仕事場で再会。ここのところ、不安定で微妙なふたり。この人は、年下の彼氏君の、元同居人。ただそれだけ。忘れぬよう、こころに何度も刻みこむ。

 来週からは、ひさしぶりに海外出張。からからに乾いた風が吹く国で、ちょっとお休み(つっても仕事だけどね)。

エアコンのない陽のあたる部屋でおひるね

 熱中症になりかかってるスタッフにアイスノンを届けて、エアコンの効いた部屋に退避。ごめん。明日には秘密兵器がくるから、それまであとちょっと待って。あとはよしずで陽を遮れば。

 何をしていても力不足を感じるこのごろ。仕事なんか止めてしまおうとか、みんな迷惑かけてごめんとか、心の底からそう思う。みじめな気持ちを引き摺りながら、それでもとりあえず朝出てくるのは苦痛で、肩も首も背中も痛い。
 今日もみんなにフォローしてもらって納期をキープ。手をかけるところが少なくなるほど、プロジェクトへの執着が薄らぐのを感じる。もういらない。わたしはいなくてもいい。そんな筈。

ー☆ー

 一度消した番号を、忘れきれなくて元のもくあみ。短縮ダイヤルなんかなかったころから、よくかける番号は指で覚えてた。頭で思い出せなくても、ついさらさらとかけてしまう。だめだよ。だめなんだってば。

 いなくなりたいと思う一日。

あいする人は列車に乗って

 なんだかんだいいつつも、電話で話せば愛しい年下の君は今日から出張。列車に乗って、西に向かう。「忙しくてスイッピバッジ探せなかった」って、わざわざ連絡くれてうれしい。いってらっしゃい。元気でね。ふたりは直接会わなければ、こんなに仲良し。はなれていれば、受話器の向こうなら。うー。

ー☆ー

 きのうの夜、元同居人君の電話番号の登録を消した。指では覚えていないから、これでこちらからは連絡できない。その直前に、指定番号着信お断りの設定を仕掛けたから、かかってくることも、ない。
 とはいえ仲間の一人だから、きっとどこかで会うだろう。これからもみんなで出かけるだろう。でも、ふたりで会うことは、たぶんもうない。

14平米のワンルームはふたりで過ごすには狭すぎる

 会いたくて、会いたくて、ご飯食べる? の誘いに、風邪っぽい体調をおして無理矢理出かけた夏の夜。ひさぁしぶりに外で会うきみに、こちらは少し緊張してた、かもしれない。うちの最寄りのちいさな駅で待ち合わせ。街にいかない? って云われたけれど、あんまり乗り気じゃなくてごめん。

 ぜんぜん変わらない筈のきみ。いつもどおりのくだけた会話。だけど細かくすれ違う。べつべつの友達としゃべる機会がふえるたび、選ぶ言葉も、流行りの話題も、会話のテンポも離れてく。のめりこめない話を聞きつつ箸を口に運んでいたら、「なんか虚ろじゃない?」と聞かれたね。そうかもしれない。話の筋を追えなくて、いっしょうけんめい話すきみを、ただただぼんやり眺めていたから。

 大好きなことも、いとしいことも、変わらないのになんだか苦しい。生活環境も交友関係も違うふたり。距離がはなれてしまったら、手をつなぎ続けるのは困難なの? 
 わたしの好きな曲も映画も、きみはあまり好きじゃないらしい。いや、知らないから楽しくない、というべきかも。きみが最近気になってる曲や本は、タイトルすら聞いたことがない作品ばかり。それを知っているのが友達という文化では、きっと私は部外者だ。あるいは、話の分からない、ただの大人。少なくとも、仲間ではないもの。

 わたしがあちこち出かけている間に、きみは夜中のチャットで仲間を増やしてる。そこで交わされたキーワードを前提で書かれたきみの日記。ぜんぜん最近見てなかったっけ。けどね、目の前で読んでもどれが固有名詞とすら分からないわたし。有無をいわさず見せられた動画に、どうすればいいのかわからず戸惑うわたし。怪訝な表情のきみ。何を言いたいのか、わからなくてごめん。きみの声が聞こえなくてごめん。だけどかなしい、とても。

 お互いの言葉が完全に通じない日が来ても、ふたりはいっしょにいられるのかな。

跳ねてばかり、飲んでばかりのウィークエンド

 土日とも、インディーズのライブで都心に出かける週末。両日ともスタンディングで2時間強。早めの整理番号チケットを手にステージから見える位置に陣取って、おとなしくしていられる筈もなく、曲がかかれば自然に跳ねる。揺れる。手が挙がる。我ながら、元気だと思う36の夏。
 はじめてみたバンドにはおどろきの連続。パフォーマンスは意外性満載、音はきれい、歌詞がすてき……と思って後で調べたら、どこもそれなりに有名なのね。不勉強でもうしわけございません。CD買ってくれば良かったなぁとおもいつつ、YouTubeでPVをリピート再生。

 ライブの間を埋めるように、元同居人君と呑む。金曜の夜と、土曜の夜、日曜の昼、日曜の夜。いくらなんでもやりすぎだ。ただの飲んだくれではないか、と協議するものの、おいしいんだからしょうがないという身もふたもない結論で締めくくられる。それにしたって、他にすることがないのかっつーくらいアルコール摂取量が減らない。海にいくとも、山に登るとも、モールを歩くとも、映画を見るともなく、ひたすら美味しい酒を楽しみ、酔いを口実に時を過ごすふたり。これはただの友達。ただの飲みとも。何度も唱えて、目を閉じる。

 彼氏君は日曜にイヴェント。土曜はその準備でお出かけ。電話で連絡とりながら、でもぜんぜん会えない日が続く。いつから顔を見てないのかな。どれだけその髪に触れてないっけな。さびしいよ、とても。そのさびしさも消したくて、ひとりの夜にまた栓を抜く。

きき酒師の姐さんの云うことにゃ

葉石かおり氏の「女は年下男が好き」によれば、年の差恋愛は男子6歳下がなにかとよろしい、とのこと。別に一般論ではないよなぁと思いつつ、しかし周りの30代女子年下彼持ちを思い浮かべると、たしかに1~2歳差を越えると一気に6歳差が増える。なんでだろう……まじめに統計とったら、なにか判ったりして。生活水準のバランスとか、学校教育の成果とか?

8歳下の彼氏くんは、週末出張で西の方へ。平日も何かといそがしく、仕事場でたまに、言葉を交わすくらいの距離。えーんえーん、やっぱり遠いよ。電車で1時間半。さみしい、さみしい。

元同居人(彼氏くんの)君のほうは、最近髪を伸ばしはじめた。長い方が好き、って、たまには云ってみるものだ。ついでに服装にも軽くアドバイス。アイロンかけたほうがいいとか、素材の組み合わせ方とか、そんな些末なことだけど。したら適度に財力があって、行動力も時間もあるせいか、成長具合もうるわしく、会うたび変化に驚かされる。これが6歳下の面白さか……などと、莫迦みたいに考えた。いやいや。

しにたい気分ってどうしたらいいの

 年下の君の状況は悪化するばかり。ボスはもう育てる気がないらしい。フリー契約だから、いくらでもいられるけれど、稼げないってただそれだけ。そうこうしてたら、うちの部署で預かれないかって、別の筋から相談された。残酷なようだけど、正直適性があるとは思えない。それでもわたしが教育するのが正しいの? 声の出し方から、口の利き方から、道具の手入れの仕方から、仕事に必要なセンスまで、なにもかも。

 そんなことより、仕事なんか止めさせて、主夫にするほうが100倍速い。それで、誰も幸せになれるとは思えないけど。誰も喜ぶとも、誰も納得するとも……。第一、彼は実家にいるのだ。いい年して家事手伝いの長男がいても、なにも困らない資産のある家に。それを奪い取ってきて、苦しい暮らしに閉じ込めるのが正しいとでも?

ー★ー

 寂しい日々に、元同居人君あらため独立君とは、すっかり仲良くなってしまった。情が移る、といいますか。でもこの先になんの未来がないことも、展望が無いことも、判ってる。傷が深くなる前に、リリースしなきゃ。磨き立てて、広い海に旅立てるよう。

ー★ー

 会いたい人には、なかなかあえない。今日はひさしぶりに声を聞いた。ちらっと姿を見かけた。ただそれだけ。言葉も交わせない。髪の毛一本、触れられない。きみにあいたい。きみにあいたい。ただずっと話をするだけでいい。でも、その時間はきみの子供のためのものだ。君の家族のための。そうして、わたしは、また声もなく泣く。13年前のように。

それだけじゃおなかが空くわ

 遠く離れて1ヶ月半。年下の君とは、なんとかぎりぎりつながっている。とはいえ、やっぱり道は険しい。
 しっかり稼げるようになったら戻ってくるから、と君は云うけれど、今日も今日とて前の仕事の支払いの件でごたごたしているとの電話。成果給の場合、パフォーマンスが低ければ減額もありえる。たしかに発注元の評価はきびしいと思うけど、その人がくれるチャンスを生かすのも、つぶすのも君次第だよ。納得いかない、と彼女に電話して吐き出す間があったら、そのぶん先に進めばいいのに、と思うのは冷たい……のかな。

 それにつけても発注元のきびしさたるや。君が困っているように見えないのが、その反応を引き出している一因だと、気づいているかしら。どうかしら。バブルじゃないもの、どこにも余剰資金なんてない。食うに困らぬ態度で働く君に、まわす余裕はないんだ、きっと。

 その仕事、実は自分もからんでいたりしていろいろややっこしい。まったくもう!
1 | 2 | 3 | 4 | 最初次のページへ >>